Clear Strategy, Steady Expansion
アニュアルレポート 2011
この用紙費用の一部は『日本赤十字社』に寄付されております。
この印刷物は環境に配慮し、植物油インキ・水なしオフセット印刷で制作しております。
実り豊かな大地、ふりそそぐ太陽、恵みの雨―古来より日本人は、自然が
育む田の恵みを、かけがえのない宝物として尊んできました。
TaKaRa
グルー
プの社名「寶」の語源は、
「田から」採取された穀物に由来するとされ
*
、農耕
を生活の糧としてきた日本人の価値観と強く結び付いています。
TaKaRa
グループは、日本伝統の酒造りの発酵技術と最先端のバイオ技術
の革新を通じ、食生活や生活文化、ライフサイエンスにおける新たな可能性を
探求してきました。今後も新たな価値を創出し、創業以来続く、自然を尊ぶ精
神に根ざした製品およびサービスを提供し、社会に貢献してまいります。
*冨山房「大言海」大槻文彦著
昭和初期の木製看板
米国宝酒造(株)
企 業 理 念
自然との調和を大切に、発酵やバイオの技術を通じて
人間の健康的な暮らしと生き生きとした社会づくりに貢献します。
TaKaRa
グループの歩み
1842年 創業
1897年 「寶」印の商標を登録
1925年 寳酒造株式会社(宝ホールディングス株式会社の前身) 創立
1949年 株式を上場
1979年 国産初の制限酵素を発売(バイオ事業を開始)
1982年 米国で清酒の現地製造を開始
1993年 長期経営構想「TI-21」スタート
2000年 長期経営構想「TE-100」スタート
2002年 持株会社体制へ移行
宝ホールディングス株式会社 設立
2004年 タカラバイオ株式会社 東証マザーズ上場
2006年 グループ内の事業を再編し宝ヘルスケア株式会社を設立
2011年 長期経営ビジョン「TaKaRaグループ・ビジョン2020」スタート 「TaKaRaグループ中期経営計画2013」スタート
宝ホールディングスは、酒類・調味料事業を展開する宝酒造グループ、バ
イオ事業を展開するタカラバイオグループ、健康食品事業の成長を加速させ
る役割を担う宝ヘルスケアを傘下に置く純粋持株会社として、グループ全社
の経営を調整・統括し、最大限の事業成果を追求しています。
この持株会社体制のもと、
TaKaRa
グループは、酒類・調味料事業を安定
的な収益基盤とし、バイオ事業と健康食品事業という有望な将来性のある成
長事業を有する、独自の強固な事業ポートフォリオを築いています。
事 業 構 造
事 業内容
酒類・調味料事業 バイオ事業 健康食品事業
宝酒造グループ
タカラバイオグループ
宝ヘルスケア
宝ホールディングス
宝 酒 造グループ
宝 ヘルスケア
その他子会社
タカラバイオグループ
宝酒造グループは、創業以来続く酒類・調味料事業を展開する
TaKaRa
グループの中核事業です。160
有余年の長きにわたり、確かな技術に裏付けられた安心できる商品を提供してきました。その商品カテ ゴリーは、焼酎、清酒、ソフトアルコール飲料、ワイン、ウイスキー、中国 酒、調味料、原料用アルコールなど多岐にわたり、日本国内のみならず、 米国、中国、欧州の子会社を通じて、グローバルに展開しています。
タカラバイオグループは、遺伝子治療などの革新的なバイオ技術の開 発を通じて、人々の健康に貢献しています。技術および収益の基盤であ る「遺伝子工学研究事業」で安定的な収益を稼ぎ出し、「医食品バイオ 事業」を第
2
の収益事業へ育成し、「遺伝子医療事業」に経営資源を投入して遺伝子治療・細胞医療の商業化を目指しています。
宝ヘルスケアは、
TaKaRa
グループの持つ独自素材や技術を活かした安心・安全な健康食品の販売を通じて、人々の健康で生き生きとした 生活を応援しています。タカラバイオが開発した素材で製品開発を 行い、マーケティング活動や通信販売を中心とする販売活動を行ってい ます。この一連の取り組みを通じて
TaKaRa
グループのシナジーを追求し、健康食品事業の成長を加速させています。
TaKaRa
グループは、長期的な企業価値の向上を目指し、長期経営構想と
その実行計画である中期経営計画に基づくグループ経営を進め、着実に事
業基盤を拡大してきました。
2011
年
4
月からは、新たな長期経営ビジョン「
TaKaRa
グループ・ビジョン
2020
」と、その実行計画の第
1
ステップである「
TaKaRa
グループ中期経営計画
2013
」のもと、長期戦略に基づくグループ経営で、持続的成長を目指しています。
目
次
長期経営ビジョン―
TaKaRa
グループ・ビジョン
2020
国内外の強みを活かせる市場で事業を伸ばし、
環境変化に強いバランスのとれた事業構造を確立する。
06
連結財務ハイライト08
セグメントハイライト10
2011年3月期の主な活動
11
社長インタビュー17
特集 Clear Strategy, Steady Expansion24
CSR
26
コーポレート・ガバナンス29
役員30
事業概要32
主要子会社データ33
投資家情報将来見通しに関する注意事項
この報告書に記載されている、当社および当社グループの現在の計画、見通し、戦略、確信等 のうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入 手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を 含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績 は、様々な要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。 実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・ 行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売 力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における 不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。
連結財務ハイライト
3月31日終了事業年度単位:百万円 単位:千米ドル
2011 2010 2009 2008 2007 2011
期間項目
売上高 ¥189,769 ¥190,525 ¥192,790 ¥191,878 ¥198,535 $2,286,373
宝酒造グループ 166,790 166,969 169,301 166,788 174,143 2,009,518
タカラバイオグループ 18,737 19,325 18,913 20,278 20,982 225,746
宝ヘルスケア 2,567 2,486 2,853 3,078 396 30,927
その他(連結消去含む) 1,673 1,743 1,722 1,733 3,013 20,156
売上原価 115,480 115,805 118,849 117,864 122,325 1,391,325
売上総利益 74,289 74,719 73,941 74,014 76,210 895,048
販売費及び一般管理費 65,953 66,146 65,090 65,507 68,550 794,614
営業利益 8,335 8,572 8,851 8,506 7,660 100,421
宝酒造グループ 6,568 7,129 7,465 7,177 6,568 79,132
タカラバイオグループ 1,097 553 426 560 (215) 13,216
宝ヘルスケア (252) (316) (356) (500) (161) (3,036)
その他(連結消去含む) 921 1,206 1,315 1,268 1,468 11,096
税金等調整前当期純利益 7,505 8,208 8,193 8,321 7,660 90,421
当期純利益 3,788 4,677 5,639 4,658 4,208 45,638
有形固定資産の減価償却費 5,384 5,652 5,992 6,384 6,692 64,867
及びその他の償却費
資本的支出 3,735 3,645 3,616 3,852 3,617 45,000
研究開発費 3,076 3,665 3,343 3,643 3,593 37,060
期末項目
総資産 ¥192,448 ¥195,495 ¥190,792 ¥207,843 ¥213,393 $2,318,650
有利子負債 38,881 39,162 39,092 43,717 39,083 468,445
純資産 106,895 109,206 105,316 113,273 115,570 1,287,891
自己資本 94,308 96,666 93,093 99,969 102,507 1,136,240
1株当たり(単位:円): (単位:米ドル)
当期純利益 ¥18.21 ¥22.20 ¥26.32 ¥21.53 ¥19.44 $0.21
配当金 8.50 8.50 8.50 8.50 7.50 0.10
指標(単位:%):
総資産当期純利益率 2.0% 2.4% 2.8% 2.2% 2.0% ̶
自己資本当期純利益率 4.0 4.9 5.8 4.6 4.1 ̶
自己資本比率 49.0 49.4 48.8 48.1 48.0 ̶
配当性向 46.7 38.3 32.3 39.5 38.6 ̶
株主還元性向* 58.6 60.6 79.0 ̶ ̶ ̶
財務トピックス
•
2011
年
3
月期の連結売上高は、宝酒造グループ・タカラバイオグループともに減収となり、
グループ全体でも減収となりました。
•
連結営業利益は、タカラバイオグループで過去最高益となりましたが、宝酒造グループの減益が響き、
グループ全体では減益となりました。
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
198,535
191,878 192,790 190,525 189,769
60.9 60.8 61.6 61.4 61.6
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3 3,593 3,643 3,343 3,665 3,076 1.6 1.9 1.7 1.9 1.8
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
102,507 99,969
93,093 96,666 94,308
4.0 4.9 5.8
4.6
4.1
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
68,550
65,507 65,090 66,146 65,953
34.8 34.7
33.8 34.1 34.5
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
4,208 4,658 5,639 4,677 3,788 2.0 2.5 2.9 2.4 2.1
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
213,393 207,843
190,792 195,495 192,448
2.0 2.4 2.8
2.2 2.0
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
7,660
8,506 8,851 8,572 8,335
4.4 4.5 4.6
4.4
3.9
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
3,617 3,852 3,616 3,645 3,735
6,692
6,384
5,992
5,652
5,384
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
39,083
43,717
39,092 39,162 38,881
41.2
40.5 42.0 43.7
38.1
売上高・
売上高原価率
(百万円/%)
研究開発費・
売上高研究開発費率
(百万円/%)
自己資本・
自己資本当期純利益率
(百万円/%)
販売費及び一般管理費・
売上高販管費率
(百万円/%)
当期純利益・
売上高当期純利益率
(百万円/%)
総資産・
総資産当期純利益率
(百万円/%)
営業利益・
売上高営業利益率
(百万円/%)
資本的支出・
減価償却費及びその他の償却費
(百万円)
有利子負債・
D/E
レシオ
(百万円/%)
売上高 売上高原価率
研究開発費 売上高研究開発費率
自己資本
自己資本当期純利益率
販売費及び一般管理費 売上高販管費率
当期純利益 売上高当期純利益率
総資産
総資産当期純利益率
営業利益 売上高営業利益率
資本的支出
減価償却費及びその他の償却費
有利子負債
D/Eレシオ
D/Eレシオ=有利子負債÷自己資本×100
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
174,143
166,788 169,301 166,969 166,790
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
2
0
,9
8
2
20,278
18,913 19,325 18,737
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
396
3,078
2,853
2,486 2,567
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
6,568
7,177 7,465 7,129
6,568
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
−215
560
426
553
1,097
07.3 08.3 09.3 10.3 11.3
−161
−500
−356
−316
−252
セグメントハイライト
売上高
(百万円)
売上高
(百万円)
売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
営業利益
(百万円)
営業利益
(百万円)
宝酒造グループ
タカラバイオグループ
宝ヘルスケア
•
宝酒造グループは、デフレの進行を受けた低価格商品への売上シフトや東日本大震災の影響などにより減収減益と
なりました。
•
タカラバイオグループは、理化学機器の前期特需の反動減により減収となりましたが、営業利益では増益となり過去
最高益をあげることができました。
(注) このページに掲載しているセグメント概況は、報告セグメントに関するものであります。報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高経営意 思決定機関が経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっている「宝酒造グループ」、「タカラバイオグループ」、「宝ヘルスケア」の3つのセグメントで 構成されています。なお、P6に掲載している「連結財務ハイライト」では、印刷事業などの機能会社グループの業績や、連結消去などをネットして「その他」に含めて記載しております。
売上構成比
業績概況
当期の宝酒造グループは、「焼酎ハイボール」が好調だったソフトアルコール飲料、および料理清 酒が好調だった調味料で増収となったことに加え、フーデックス社(仏国)の連結子会社化による増 収があったものの、焼酎の減収の影響が大きく、売上高は前期比0.1%減収の166,
790
百万円となりました。
利益面では、原材料価格の高騰を受け、売上原価率が上昇したことに加え、商品構成変化による 販売促進費の増加、フーデックス社の連結による人件費や管理費の増加などによって販売費及び 一般管理費が増加したため、営業利益は前期比
7.9%
減益の6,568
百万円となりました。業績概況
当期のタカラバイオグループは、遺伝子医療事業におけるリンパ球培養用培地・バッグおよび がん免疫細胞療法に関する技術支援サービスの売上が好調に推移したことや、医食品バイオ事業 における健康志向食品およびキノコ関連製品の増収があったものの、円高の影響、および遺伝子工 学研究事業における理化学機器の前期特需の反動による減収によって、売上高は前期比
3.0%
減収の
18,737
百万円となりました。利益面では、売上原価率の改善に加え、医食品バイオ分野における研究開発投資の効率化など によって研究開発費が減少したため、営業利益は前期比
98.4%
増益の1,097
百万円となりました。業績概況
当期の宝ヘルスケアは、最注力商品であるフコイダン関連製品、および
BtoB
で販売しているバルク原料を中心に、健康食品の売上が増加し、売上高は前期比
3.3%
増収の2,567
百万円となりました。利益面では、利益率の高いフコイダン関連製品の売上が増加したことにより、売上総利益は前期
比
15.7%
増益の819
百万円となり、営業損失は前期に比べ64
百万円収支改善の252
百万円となりました。当セグメントでは、健康食品事業育成のための広告宣伝費を先行的に投下しているため、 営業損失を計上しています。
売上構成比
売上構成比
87.9%
9.9%
1.4%
本格焼酎「黒よかいち」<麦>
ナチュラルキラー細胞
「ノコギリヤシ+イソサミジン」
20 1 1
年
3
月期の主な活動
宝ホールディングス
2010年5月 第10回、第11回の無担保社債(各50億円)を発行し、100億円を調達
2010年6月 250万株(約12億円)の自己株式を取得完了
宝酒造グループ
2010年4月 フランス最大規模の日本食材輸入卸会社フーデックス社の株式の80%を取得
2010年9月 松竹梅「白壁蔵」<生 吟醸>を発売
2010年9月 石焼き芋焼酎「石茜」を発売
2011年3月 松竹梅「生」<冷用>を発売
2011年3月 本格焼酎「黒よかいち」<麦>を発売
タカラバイオグループ
2010年5月 医聖会・百万遍クリニックにてがん免疫細胞療法の有償治療を開始
2010年8月 ドイツのマッハライ・ナーゲル社と核酸精製用試薬等の 日本国内における独占的販売契約を締結
2010年8月 食道がんに対するTCR遺伝子治療の臨床研究において第1例目の治療を開始
2010年10月 白血病に対する遺伝子治療の臨床研究において第1例目に遺伝子導入細胞を投与
2010年11月 「腫瘍溶解性ウイルスHF10」事業を株式会社エムズサイエンスより買収
2010年12月 ナチュラルキラー細胞を高純度に作製できる新技術を開発
2010年12月 タカラコリアバイオメディカル社に韓国テジョン支店を開設
2011年2月 株式の分割および単元株制度の採用を決定(1株を400株に分割、単元株100株)
宝ヘルスケア
2010年10月 ガゴメ昆布「フコイダン」入り TaKaRa「安心のど 」を発売
社長インタビュー
新しい
10
年間に向けて
TaKaRa
グループは、今後
10
年間に見込まれる国内外の環境変化を見据えた長期
経営ビジョン「
TaKaRa
グループ・ビジョン
2020
」を策定し、
2011
年
4
月より新たなスター
トを切りました。
これまでにも、長期経営構想と、その実行計画である中期経営計画に基づく事業展開
で、今日の
TaKaRa
グループを特徴づける、酒類・調味料事業という安定収益基盤と、バ
イオ事業と健康食品事業という有望な将来性のある成長事業を併せ持つ、独自性の高
い事業ポートフォリオを築き上げてきました。明確な長期戦略に基づく事業展開は、当社
グループの基本方針です。
今後は、国内外において現在の事業ポートフォリオをさらに強化していくことで、より一
層、環境変化に強いバランスのとれた事業構造の確立を目指していきます。
大宮
久
宝ホールディングス株式会社 代表取締役社長
東日本大震災について
2011
年
3
月
11
日に発生いたしました東日本大震災により被災された
皆様に、心よりお見舞い申し上げます。今回の震災に伴う
TaKaRa
グループ
(以下、当社グループ)への影響について、以下の通りご報告いたします。
被害の状況について
幸いなことに、当社グループの従業員および家族等に人的被害はありませんでした。
また、各拠点の被害状況につきましては、営業拠点である宝酒造の東北支社(仙台市宮城野区)に おいて、備品の落下・転倒等が発生しましたが、大きな被害はなく、通常業務に復旧しております。 生産拠点では、宝酒造の松戸工場(千葉県松戸市)において、生産施設の一部に損傷等の被害 が発生しましたが、直ちに修復を行い、震災翌週から再稼働しており、現在は震災前の供給能力を 回復しております。
物流拠点では、宝酒造の東日本物流センター(千葉県松戸市)において、商品の破損等が発生 したほか、自動倉庫の一部に損傷等の被害が発生し、別の物流拠点から配送を行うなどの対応を
行ったため、一部商品の配送に遅れが生じるなどの影響がありました。
業績への影響について
生産・物流拠点の一部施設における被災等に伴い、
2011
年3
月期の決算において、災害による特別損失
3
億96
百万円を計上いたしました。その内訳は、設備復旧費用として1
億88
百万円、棚卸資産評価減等として
1
億89
百万円などです。
2012
年3
月期においては、生産・供給体制への影響は軽微なものであると考えておりますが、震災復旧費用関連で
6
億円程度の特別損失を2012
年3
月期予想(2011
年5
月10
日発表)に織り込んでおります。
節電への対応について
営業利益
(百万円)
売上高
(百万円)
2011
年
3
月期業績の増減要因
2010年3月期実績
2011年3月期実績
宝酒造グループ
タカラバイオグループ
その他
190,525
189,769 ▲179
▲588
宝ヘルスケア +81
▲69
売上高前期比: ▲755百万円
2010年3月期実績
2011年3月期実績
宝酒造グループ
タカラバイオグループ
その他
8,572
8,335
▲560
+544
宝ヘルスケア +64
▲284
営業利益前期比: ▲237百万円
当期の当社グループの連結業績は、長引く景気の低迷やデフレの進行に加え、
2011
年3
月に発生した東日本大震災の影響もあり、売上高は前期比
0.4%
減収の1,897
億69
百万円となりました。連結営業利益は、タカラバイオグループが過去最高を記録したものの、宝酒造グループにおける低価格商品への売上シフトなどの影響により、前 期比
2.8%
減益の83
億35
百万円となりました。当期純利益は、震災による特別損失の計上もあり、前期比19.0%
減益の
37
億88
百万円となりました。事業グループ別に見ますと、宝酒造グループでは、「焼酎ハイボール」の増収や、日本食材卸会社であるフーデックス社 (仏国)が新規に連結対象となったことによる増収要因がありましたが、デフレの進行で消費マインドの後退や低価格商
品へのシフトが顕著になるなど厳しい事業環境が続き、さらに東日本大震災の影響もあり、減収減益となりました。 タカラバイオグループにおいては、キノコ関連製品が増収となりましたが、研究用試薬が円高の影響によって前期並 みとなり、また理化学機器が前期の特需の反動によって減収となったため、売上高は減収となりました。一方、研究開 発費の効率的な運用などに努め、販売費及び一般管理費を抑制し、営業利益では過去最高益を達成しました。 宝ヘルスケアは、注力商品であるフコイダンシリーズの好調な売上により前期比
3.3%
の増収となり営業損失も改善しました。
当期の業績は、第
7
次中計の定量目標や当期の業績予想に対して下回る結果となりました。特に第7
次中計スタート後に発生したリーマン・ショックに端を発する経済危機は市場に大きな変化をもたらし、その後も景気低迷の 長期化や、デフレの進行など、高品質商品の育成を図る宝酒造グループにとっては特に厳しい市場環境となり、グ ループ全体でも計画の達成には至りませんでした。しかしながら、海外での日本食材卸事業への参入など、将来の 成長に向けた布石を打てたことには大きな意義があると考えています。
Q1 2011
年
3
月期(以下、当期)の業績についてご自身の評価をお聞かせください。また、第
7
次中
期経営計画(以下、第7次中計)の最終年度となりましたが、その評価も併せてお願いします。
A1
当期はデフレの進行に加え震災の影響もあり、減収減益となりました。第
7
次中計は未達と
なりましたが、将来の成長に向けた布石を打つことができました。
酒類・調味料事業 健康食品事業 (宝ヘルスケア)
バイオ事業 (タカラバイオグループ)
国内外において環境変化に強いバランスのとれた
事業ポートフォリオへ
海外への
事業拡大
2011
年4
月よりスタートした長期経営ビジョン「TaKaRa
グループ・ビジョン2020
」(以下、長期ビジョン)は、2011
年3
月に最終年度を終えた長期経営構想「TE-100
」を引き継ぐもので、2020
年までの10
年間の環境変化を見据えた当社グループの成長の道筋を示しています。そして中計
2013
は、その実行計画の第1
ステップとして位置付けています。
持続的な成長を果たしていくために、当社グループはいくつもの挑戦を続けていく必要があります。中長期的な環 境認識として、国内の事業環境は厳しさを増すものの、海外を中心に成長機会も数多く存在すると考えています。国 内では人口減少や産業の空洞化が進むことにより消費市場が縮小していくと予想されますが、高齢者向け市場や調 理済み食品市場については拡大が見込まれます。一方、海外では、先進国における健康志向の高まりや医療の高度 化、新興国における経済成長や所得水準の向上に伴い、日本食市場やバイオ関連市場の拡大が見込まれます。 こうした環境の変化を前提に、長期ビジョンでは、国内外の強みを活かせる市場で事業を伸ばし、環境変化に強 いバランスの取れた事業構造を確立することを経営目標として定めました。この目標の達成に向け、中計
2013
では、国内での安定成長を実現するとともに、海外で大きく成長するための事業基盤を拡大することを基本方針として います。(業績目標や個別の施策については、特集ページをご覧ください。)
持続的な成長を果たしていく上で、海外には特に大きな成長機会が存在しています。中計
2013
では、当社グループとして初めて海外売上高比率の目標数値
10%
以上を掲げ、海外市場に挑む意思を明確に盛り込んでいます。宝酒造グループでは、日本食材卸事業という新たな領域において販売網の拡大に取り組み、タカラバイオグループで は、インドなどの新興国において研究用試薬を中心に売上拡大に取り組むなど、海外市場のさらなる開拓を進めて いく考えです。
Q2 2011
年
4
月に発表された「
TaKaRa
グループ中期経営計画
2013
(以下、中計
2013
)」のねらい
をお聞かせください。
A2 10
ヵ年の長期経営ビジョンの第1ステップとして位置付け、環境変化に強いバランスの取れた
酒類・調味料事業を母体とする当社グループは、自社の強みを活かせる領域で、かつ、競合がしり込みするよう なテーマへ息の長い挑戦を続け、現在の独自性を築いてきました。長期的な視点に立った意思決定は、当社グルー プの発展を支えてきた基盤であり、企業風土と言えるものです。
私が創業から携わったバイオ事業は、タカラバイオグループとして
2008
年3
月期に黒字化を果たすまで、長きにわたって先行投資を続けた事業です。こうした息の長い投資は、安定的な収益基盤と確固たる意志を持っているから こそ可能であり、これが当社グループの強みであると考えています。
宝酒造グループの事業基盤は、焼酎やみりんのカテゴリーで国内シェア
1
位の地位を確保する強いブランドを多数有していることだけではありません。焼酎のイメージを一新した宝焼酎「純」や、日本初の缶入りチューハイ「タカ ラ
ca
nチューハイ」など、時代とニーズを捉えた商品を投入し、顧客を引き付ける力にあると認識しています。
タカラバイオグループにおいても、
19
79
年に国産初の制限酵素を発売して以降、常に最先端のバイオテクノロジー研究に対応する研究用試薬や理化学機器などを備え、競争の激しいバイオ業界において、確固たる足場を築く ことに成功しました。今後は、医食品バイオ事業の黒字化により、さらなる収益基盤の拡充が見込まれます。 こうした事業から得られる安定的な利益が、次の成長を担う事業を育成するための資金となり、長期的な視野に 立った意思決定を可能にしています。したがって、基盤事業のさらなる強化は、今後も長期戦略を展開する上で欠 かせない重要テーマです。中計
2013
においても、こうした認識のもと、基盤事業のさらなる拡大を前提としています。育成を続けている健康食品事業および遺伝子医療事業は、ようやく収益への貢献を計画に乗せられるようになり ました。今後も、各事業グループの独立採算を基本に、それぞれの事業計画を推進し、長期ビジョンの達成に向け たグループ経営を進めていきます。
Q3 TaKaRa
グループの特徴に、
10
年先を見据えた長期的な経営ビジョンが挙げられますが、
こうした経営方針を可能とする強みをお聞かせください。
A3
安定的な収益を背景に長期的な視点で意思決定を行い、確固たる意志で実行する。これが
宝酒造グループでは、厳しい事業環境が続きますが、当社グループの収益基盤として国内酒類事業の収益力をよ り一層高め、その上で、海外酒類事業、日本食材卸事業および調味料・酒精事業で積極的に事業拡大を図ります。 震災の影響もあり、国内では当社商品群の中でも家庭用商品への需要が高まっていることから、
2012
年3
月期の当事業グループの業績は「焼酎ハイボール」などのソフトアルコール飲料を中心に大幅な増収を見込んでいます。ま た、原材料価格の高騰に対しては継続的なコストダウンを実施します。しかしながら、家庭用商品の増加に伴い販 売促進費等が増加するため、営業利益は当期並みとなる見込みです。
タカラバイオグループでは、研究用試薬やキノコ関連製品を中心に増収を見込みます。売上増に伴う増益は見込 めるものの、研究開発費や管理費等の増加も想定しており、営業利益は当期並みの水準となる見通しです。 宝ヘルスケアでは、茶飲料の減少により若干の減収を見込みますが、利益率の高いフコイダン関連製品の売上 増などから営業損失の大幅な改善を見込み、
2013
年3
月期の黒字化へ向けて前進させます。これらにより、
2012
年3
月期の当社グループの連結業績見通しは、売上高1,973
億円(前期比4.0%
増)、営業利益84
億円(同0.8%
増)、経常利益87
億円(同3.2%
増)、当期純利益40
億円(同5.6%
増)と増収増益を見込みます。最後に、株主還元策につきましては、引き続き、安定的な配当の継続を基本としつつ業績連動の要素も加味した 配当と、資本効率の向上に資する自己株式の取得とを併せて実施します。
2012
年3
月期の業績見通しを前提に、次期の配当は引き続き
1
株当たり8
円50
銭を予定していますが、併せて自己株式の取得を通じて、積極的な株主還元に努めてまいります。
株主の皆様におかれましては、引き続きご支援を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
2011
年7
月代表取締役社長
Q4
新中計の初年度となる
2012
年
3
月期の見通しおよび株主還元策をお聞かせください。
A4 2012
年
3
月期は増収増益を果たし、長期ビジョンおよび中計
2013
の初年度として良いスター
特集
Cl
ear Strategy, Steady Expansion
TaKaRa
グループは、
2011
年
4
月より、
10
ヵ年の長期経営ビジョン「
TaKaRa
グループ・
ビジョン
2020
」の実現に向け、新たなスタートを切りました。
この特集では、その実行計画の第1ステップとして策定した「
TaKaRa
グループ中期
経営計画
2013
」をご紹介します。
「
TaKaRa
グループ・ビジョン
2020
」達成へのロードマップ
TaKaRa
グループ・
ビジョン
2020
の実現
環境の変化に強い
バランスのとれた事業構造を確立
第
1
ステップ
TaKaRa
グループ
中期経営計画
2013
第
2
ステップ
第
3
ステップ
•
国内における安定成長の実現
•
海外で大きく成長するための事業基盤の拡大
2011年度 (2011年4月)
2013年度末 (2014年3月)
2020年度末
Ta K a R a
グループ中期経営計画
20 1 3
の概要
2020
年までの長期経営ビジョン「
TaKaRa
グループ・ビジョン
2020
」では、国内外の強みを活かせる市場
で事業を伸ばし、環境変化に強いバランスのとれた事業構造を確立することを経営目標に掲げています。こ
の目標の実現に向けた第
1
ステップとして策定した中計
2013
では、
『国内における安定成長の実現』と『海外
で大きく成長するための事業基盤の拡大』を目指しています。
「
TaKaRa
グループ・ビジョン
2020
」の実現に向けて、国内での安定成長を実現するととも
に、海外で大きく成長するための事業基盤を拡大する。
基本方針
風土・人財の育成
基盤事業
中核事業として収益力の強化に取り組み、グループの成長を支える基盤事業
成長事業
グループ全体の成長を牽引する。成長が見込まれる市場で、積極的に事業拡大を図り、育成事業
成長が見込まれる市場で、次期の成長事業化を目指し、事業基盤の確立に取り組む。健全な財務体質を維持しながら、成長・育成事業への投資と、
積極的な株主還元を実施し、
ROE
(自己資本利益率)の向上を目指す。
財務方針
社会・環境行動の推進
グループ経営基盤の強化
事業の位置付けと事業方針
国内酒類事業
調味料・酒精事業
海外酒類事業、日本食材卸事業
遺伝子医療事業
健康食品事業
遺伝子工学研究事業
調味料・酒精事業
海外酒類事業、日本食材卸事業
連結売上高
2,000
億円以上
(2011年3月期対比5.4%増)
連結営業利益
1
00
億円以上
(2011年3月期対比20.0%増)
海外売上高比率
10
%
以上
(2011年3月期対比+2.2%)
成長事業および育成事業の売上高比率
2
5
%
以上
(2011年3月期対比+4.0%)
海外売上高
200
億円以上
(2011年3月期対比35.9%増)
成長事業および育成事業の売上高
5
00
億円以上
(2011年3月期対比25.3%増)
基本方針の実現に向け、グループ内の各事業を「基盤事業」「成長 事業」「育成事業」の3つのカテゴリーに分け、事業方針を策定しまし た。それぞれの方針に基づいて各事業を推進することで、グループの 成長戦略を実行していきます。各事業の方針は、以下の通りです。
●基盤事業
国内酒類事業
安定的なキャッシュ・フローを生み出し、グループの成長を支える。
●成長事業
海外酒類事業、日本食材卸事業
海外で日本食材卸販売網を構築するとともに、両事業のシナジーを 活かして事業成長を加速させ、グループ全体の成長を牽引する。
調味料・酒精事業
加工業務用調味料事業と酒精事業のそれぞれにおいて事業拡大を 図るとともに、事業統合を活かした
Bt
oB
事業の成長を図る。遺伝子工学研究事業
基盤技術開発と新興国をはじめとした国内外の市場開拓を進め、 売上拡大と収益力強化を図る。
●育成事業
健康食品事業
将来の飛躍的な成長に向け、売上拡大および事業基盤の確立を図る。
遺伝子医療事業
国内初の体外遺伝子治療の商業化を目指し、臨床開発を進めるとと もに、がん免疫細胞療法の技術支援サービス等の売上拡大を目指す。
定量目標
■事業の位置付けと事業方針
■財務方針
健全な財務体質を維持しながら、成長・育成事業への投資と、積 極的な株主還元を実施し、
ROE
(自己資本利益率)の向上を目指します。
資源配分
成長事業と育成事業へ資源を優先配分し、成長を加速させる。
株主還元
配当と自己株式取得を合わせ、株主還元性向
*50%
以上を実施する。資本効率
利益成長および株主還元を通じ、
ROE
(自己資本利益率)の向上を目指す。
* 株主還元性向=「株主還元総額(配当総額+自己株式取得総額)」÷「みなし連結当期純 利益**」
** みなし連結当期純利益=(連結経常利益−受取利息・配当金+支払利息)×(1−法定実 効税率)
●グループ経営基盤の強化
「グループ総合力」「コスト競争力」「技術・商品開発」「IT基盤」の
4
つの強化により、事業戦略を支える。●風土・人財の育成
グループの成長に不可欠なグローバル人財、専門人財、技術者を 育成するとともに、事業展開に応じたグループ間の人財交流を行 い、人財配置の最適化を進める。
●社会・環境行動の推進
事業活動を通じて、CSR活動や環境活動に取り組み、ステークホ ルダーに対する責任を果たす。
定量目標
事業グループ別の戦略
「基盤事業」に位置付ける国内酒類事業では、引き続き全量芋焼酎 「一刻者」、本格麦焼酎「知心剣」、松竹梅「白壁蔵」ブランドに代表 されるこだわりゾーンと、甲類焼酎・極上<宝焼酎>、本格焼酎「黒 よかいち」、焼酎ハイボール、松竹梅「豪快」などのスタンダード ゾーンの双方において、多数の強いブランドを育成していきます。
さらに今後は、差別化品質を持ったオリジナリティある新商品に ついても開発スピードを上げ、売上の拡大と新たな需要層の獲得を 目指します。同時に、利益マネジメントの強化と業務の効率化を推 進することで、安定的なキャッシュ・フローを生み出すグループの中 核事業として、グループ全体の成長を支えていきます。
売上高
1,800
億円
営業利益
77
億円
海外売上高
115
億円
宝酒造グループ
【事業戦略の見取り図】
国内は、酒類事業の収益力強化および
Bt
oB
事業の拡大、
海外は、日本食材卸販売網の構築に取り組む。
定量目標
基本方針
■国内酒類事業の戦略
新商品の開発
ブランドの育成
差別化品質を持ったオリジナリティある
新商品の開発
収益力の強化
利益マネジメントの強化と、
業務効率化の推進
こだわりゾーンとスタンダードゾーンの双方で
多数の強いブランドを育成
•
新商品の開発スピードを上げ、売上を拡大(3年間で新商品の売上高
90
億円を目指す)•
消費行動の変化に対応し、新たな需要層を獲得<こだわりゾーン>
•
全量芋焼酎「一刻者」、本格麦焼酎「知心剣」•
松竹梅「白壁蔵」<生 >シリーズ<スタンダードゾーン>
•
極上<宝焼酎>•
本格焼酎「黒よかいち」•
焼酎ハイボール•
松竹梅「豪快」、生酒宝酒造グループ 調味料・酒精事業
消費者
中食(スーパー、コンビニ)
加工業務用 調味料事業
酒精事業
外食(飲食店)
加工食品メーカー
化粧品メーカー
酒類メーカー
惣菜
調味料
工業用アルコール
酒類用アルコール
メニュー
加工食品
化粧品
酒類
トマーチン
フーデックス
上海宝酒造貿易有限公司
宝酒造食品有限公司
エイジ・ インターナショナル
米国宝酒造
清酒等の製造・販売 ウイスキーの製造・販売 日本食材卸事業 その他
フーデックススイス フーデックスベルギー
フーデックスイタリア フーデックス南仏
フーデックス (フランス)
「成長事業」に位置付ける調味料・酒精事業では、両事業の相乗 効果を活かし、両方の事業に共通する顧客への提案力を強化する とともに、
BtoB
ビジネスとして将来の事業の柱となるよう拡大を目指します。そのための準備として、まずは加工業務用調味料と酒精 のそれぞれの分野での売上拡大を目指します。
加工業務用調味料事業では、顧客視点に立った商品開発と提案 営業で顧客の課題解決に貢献することを通じ、さらなる事業拡大を図 ります。酒精事業では、新規事業領域における成長戦略と、既存事業 における量的拡大や競争優位性確立などの強化戦略を同時並行で 推進します。
「成長事業」に位置付ける海外酒類事業では、米国・欧州・中国を 中心に、日本食レストラン市場におけるシェアの向上を図るとともに、 量販チャネルにおける間口の拡大を図ります。
同じく「成長事業」に位置付ける日本食材卸事業では、
2010
年4
月に株式を取得したフーデックス社(仏国)が
2011
年3
月にベルギーに子会社を設立するなど流通網の拡大に取り組んでいますが、今後も 海外における販売網の構築と拡大を目指します。
さらに、海外酒類事業と日本食材卸事業の両事業のシナジーとし て、日本の酒類と食材を組み合わせた提案を行うことができるという 強みを活かし、日本食文化をさらに世界に広めるとともに、海外の飲 食店市場における新たな販路の獲得と間口の拡大に取り組みます。
■調味料・酒精事業の戦略
■海外酒類事業・日本食材卸事業の戦略
【宝酒造グループの海外拠点】
フーデックス社の欧州拠点
【加工業務用調味料事業および酒精事業の顧客】
定量目標
11.3 12.3
(計画) (計画)13.3 (計画)14.3
1,682
1,962
2,144
2,377
-310
27 32
54
11.3 12.3
(計画) (計画)13.3 (計画)14.3
54
209
432
608
継続的に黒字を計上する一方で、経営資源投下について選択と集中を図り事業構造の
改革を進め、成長基盤の構築を目指す。
タカラバイオグループの収益基盤であり、
TaKaRa
グループの中では一層成長が期待できる事業として「成長事業」に位置付ける遺 伝子工学研究事業では、研究開発の生産性を向上させ、基盤技術 の開発を推進するとともに、リアルタイム
PCR
分野や細胞生物学分野等で売上の拡大を目指します。また、マーケティング力を強化する ことでアジア・パシフィック等、国内外市場の積極的な開拓を進め ていきます。
【中国での売上高】
(百万円)
【営業利益計画】
(百万円)
【医食品バイオ事業の方針】
【インドでの売上高】
(百万円)
•
2012
年3
月期の営業黒字化•
機能性食品素材のヒト試験によるエビデンス強化•
健康食品素材のBtoB
市場での売上拡大•
キノコの生産技術向上によるコストダウン•
キノコ栽培技術・ノウハウのライセンス事業の拡大•
高付加価値キノコの新規栽培法の確立売上高
227
億円
営業利益
13
億円
海外売上高
85
億円
定量目標
基本方針
■遺伝子工学研究事業の戦略
TaKaRa
グループの「育成事業」に位置付ける健康食品事業とキノコ事業を行う医食品バイオ事業では、ガゴメ昆布「フコイダン」や 寒天「アガロオリゴ糖」などの健康食品素材のエビデンスを強化し、 効果的かつ効率的に費用を投下しながら、宝ヘルスケア社を通じ
た通信販売顧客の獲得や
BtoB
市場での販促強化を通じた売上の拡大を目指します。また、ハタケシメジとホンシメジの生産技術向上 によるコストダウンと自社販売による売上拡大を目指します。その上 で、
2012
年3
月期の営業黒字化を目指します。■医食品バイオ事業の戦略
定量目標
治療法(対象疾患) 2012.3 2013.3 2014.3 2015.3 2016.3 2017.3 2018.3 2019.3
HSV-TK遺伝子治療 DLI:(再発白血病)
ハプロadd-back:(造血器悪性腫瘍)
2018年3月期
HF10
(頭頚部がん等)
2019年3月期
MazF遺伝子治療
(HIV)
TCR遺伝子治療
(食道がん等)
臨床試験(実施中) 臨床試験(予定) 臨床研究(実施中) 臨床研究(予定)
国内第Ⅰ相臨床試験(DLI)実施中 (2012年3月期終了予定)
臨床研究(ハプロadd-back)実施中 (2013年3月期終了予定)
米国第Ⅰ相臨床試験実施中 (2013年3月期終了予定)
2012年3月期米国にて第Ⅰ相臨床試験を開始
臨床研究実施中 (2013年3月期終了予定)
2013年3月期臨床研究 (次世代ベクター)を開始
2014年3月期第Ⅰ相臨床試験を開始 (第Ⅱ相臨床試験、第Ⅲ相臨床試験) (第Ⅱ相臨床試験)
商業化
商業化
ガゴメ昆布「フコイダン」をヘルスケア事業の柱として
確立し、
2013
年
3
月期に黒字化を実現する。
【遺伝子医療の臨床開発スケジュール】
売上高
26
億円
定量目標
基本方針
TaKaRa
グループの「育成事業」に位置付ける健康食品事業において、販売を担う宝ヘルスケアでは、ガゴメ昆布「フコイダン」シリー ズに最注力しながら、積極的かつ効率的な広告宣伝を通じて顧客
の獲得に努め、通販事業の成長を加速させていきます。そして、
2013
年3
月期の黒字化を目指します。「育成事業」に位置付ける遺伝子医療事業では、国内初の体外 遺伝子治療の商業化を目指し、遺伝子治療・細胞医療の臨床開発 を推し進めます。
遺伝子治療では、
HSV-TK
遺伝子治療の2018
年3
月期の商業化、
2010
年に買収したパイプラインのがん治療薬HF10
の2019
年3
月期の商業化を目標に、臨床試験を進めていきます。さらに、MazF
遺伝子治療、TCR
遺伝子治療の臨床開発を積極的に推進します。
細胞医療では、「レトロネクチン
®
誘導T
リンパ球療法」にかかる技術支援サービスや、がん免疫細胞療法用の培地・バッグの売上 拡大を目指します。また、遺伝子治療用ベクターの製造などの臨床 開発支援事業の拡大に向けた取り組みにも注力します。
■事業戦略
■遺伝子医療事業の戦略
宝ヘルスケア
C S R
TaKaRa
グループは、安心・安全な商品やサービスをお届けするとともに、医療の進歩に貢献し、
人々の暮らしを豊かなものにしていくことで、様々なステークホルダーの期待に応えていきます。
CSR
活動の基本方針
TaKaRa
グループは、社会の一員として企業理念に則り、本業の事業活動を通じて社会に貢献していくことをすべての基本としてい ます。国内外を問わず様々な環境変化が予想されるなか、グループ 全体の企業価値向上を実現していくためには、成長戦略と一体化し た
CSR
活動の強化が不可欠であると考えています。こうした認識のもと、「
TaKaRa
グループ中期経営計画2013
」では、国内外のグループ会社一体となったコンプライアンス体制の構築に 加え、生物多様性保全の推進、
CO
2排出量削減などの環境活動の強化、グループ全体の成長に不可欠な風土・人財の育成など、
CSR
活動をグループ全体でより一層強化していくことを定めました。
CSR
活動の重点分野
TaKaRa
グループは、安心・安全な商品やサービスを提供し続けることが最も重要な
CSR
活動であると考えています。こうした商品やサービスを通じて、人々の暮らしを豊かなものにするとともに、環境 保全などを通じて社会に貢献しながら、グループの持続可能な成長 の実現を図っています。
TaKaRa
グループの
CSR
活動
主要な
CSR
活動は、グループ全体の売上の約90%
を占める宝酒造グループの取り組みが中心となっています。宝酒造グループの主 要事業である酒造りは、穀物や水など自然の恵みをもとに、微生物と いう自然の働きによって行われます。酒造りは、こうした自然の力を借 りて初めて行うことができるため、「自然との調和」を第一に掲げ、自 然環境に配慮した活動を展開しています。加えて、酒類を販売する 企業にとって避けて通れない空容器問題や、適正飲酒の啓発活動も また、
CSR
活動の重要課題であると認識しています。一方で、タカラバイオグループは、売上こそグループ全体の約
10%
ですが、従業員数ではグループ全体の約
30%
に達するとともに、研究開発費ではグループ全体の約
90%
を占めています。タカラバイオグループは、革新的なバイオ技術を通じ、がん領域や
AIDS
といったアンメット・メディカルニーズの高い疾病を対象とした遺伝子治療や 細胞医療という先端医療技術の開発や商業化を進めています。近い 将来、タカラバイオグループの事業は人々の生命や健康に大きく貢献 し得ることから、生命倫理の観点からも適正に推進していくことが、こ れまで以上に重要になると認識しています。
研究開発費構成
n タカラバイオグループ 87.5%
n宝酒造グループ・他 12.5%
従業員構成
n宝酒造グループ 61.9% nタカラバイオグループ 32.1% n宝ヘルスケア 0.4%
CSR
活動の重点分野における取り組み
品質と安全:品質検査(宝酒造)
宝酒造は、食の安心・安全に対するニーズに応えるため、確かな 品質管理体制のもと、商品企画から製造・出荷に至るまでを実施し ています。さらに、お客様に正確な情
報をお伝えするため、事前審査のう え、原材料・栄養成分などをラベルに 表示しています。
品質と安全:誤飲防止(宝酒造)
宝酒造は、目の不自由な方の誤認飲酒を防止するため、
199
5
年に国内で初めて缶チューハイの缶ぶたに点字で「おさけ」の表示を入 れ、
2002
年には、やはり国内で初めて紙パック酒類 のキャップに同様の点字 表示を行いました。
品質と安全:適正飲酒(宝酒造)
宝酒造は、酒類を販売する企業の重要な社会的責任として、 「ルールを守った節度ある飲酒」を呼びかける様々な活動を行ってい
ます。お酒の正しい知識や飲み方をま とめた冊子「お酒おつきあい読本」を発 刊しているほか、
199
5
年からは未成年者飲酒、飲酒運転防止のための注 意表示を酒類製品に表示しています。
生命倫理と安全:倫理面・安全面の審査(タカラバイオ)
タカラバイオでは、ヒト由来の組織・細胞・臨床材料・ゲノム・ 遺伝子等を用いた研究開発事業、これらを用いた遺伝子検査・受 託業務に関する事業およびヒト組織・細胞製品の供給に関する事 業等を行っています。これらの事業活動を行ううえで、関連法規の 遵守はもとより、人権の尊重ならびに当該事業活動を通じた社会貢 献が適切に行われることが重要であると認識し、「生命倫理・安全 規程」を定め、社内に設置した生命倫理委員会の審査を厳格に 行っています。
環境保全:
4R
の推進(宝酒造)
酒類業界にとって、酒類などが消費された後に発生する空容器 処理は重要な問題です。宝酒造では、
新たな容器の発生を回避する「はかり 売り」を実施するなど、容器の
4
R(リフューズ:発生回避、リデュース:減 量化、リユース:再利用、リサイクル: 再資源化)を推進しています。
社会貢献:環境啓発活動(宝ホールディングス・宝酒造)
宝ホールディングスでは、公益信託「
TaKaRa
ハーモニストファンド」を
1985
年に設立し、以降毎年、自然環境保護活動や研究に地道に取り組む団体や個人に対して助成活動を行っています。第
1
回からの助成先数は延べ
281
件、助成金累計は約1
億3,
5
00
万円になりました。また、宝酒造では、
2004
年から、次世代を担う子供たちに自然の尊さや生物多様 性の大切さを伝える「
TaKaRa
田んぼの学校」を開校し、環境教育を実施しています。
宝酒造における
CSR
活動は、以下のホームページおよび「緑字企業報告書」でご確認いただけます。http://www.takarashuzo.co.jp/environment/index.htm
コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンスの
基本的な考え方
当社グループでは、コーポレート・ガバナンスの充実を、持続的な 企業価値向上のための重要な経営課題と捉え、以下の基本的な考 え方のもと、その充実に努めています。
当社グループ全体の企業価値向上のために、
①
グループ各社に権限を委譲し、 自立経営のもと事業の展開スピー
ドをあげ、各社において企業価値向上を追求する。
②
会議体の定期的な運営等を通じ、各社の事業報告や今後の経営
方針・事業戦略について意見交換しあえる風土を維持することで、 グループ全体の企業価値向上を追求する。
③
法令遵守の姿勢や倫理性を確保し、 コンプライアンス体制を維持
することで、グループ全体での企業の社会的責任を果たす。 ④
オープンかつタイムリー、そして正確な情報開示を継続し、適時開
示に対する社内体制を維持することで、 経営の透明性を高める。
コーポレート・ガバナンス体制に
ついて
当社は監査役設置会社であり、
2011
年6
月29
日現在、監査役会は
5
名(うち3
名は社外監査役)で構成されています。また、取締役会は
1
0
名で構成されており、うち1
名は社外取締役です。この体制下において、監査役監査に加え、株主を含むすべてのス テークホルダーの視点に立脚する幅広い見識をもった独立性の高い 社外取締役が、監査役会や内部統制担当役員と連携を図り業務執 行の監査・監督に関与することで、経営に対する監督機能を強化し ています。
また、持株会社として、グループ各社の独自性・自立性を維持しつ つ、グループ全体の企業価値の最大化を図ることを目的に「グループ 会社管理規程」を制定し、「グループ戦略会議」、「マザー協議連絡 会議」、「タカラバイオ連絡会議」、「宝ヘルスケア戦略会議」、「機能 子会社協議連絡会議」を通じて重要案件の事前協議や報告を義務 付けるほか、特に急を要する事項や専門性の高い内容については、 随時「経営会議」を開催して事前協議を行っています。
監査役監査、内部監査および
会計監査について
当社の監査役は、取締役会等の重要会議への出席や業務・財産 および重要書類の調査ならびに必要に応じて担当取締役および担 当者への聞き取り調査等を実施し、これらを通じて、取締役の職務 執行の監査を行っています。内部監査については、被監査部門から 独立した監査室を設置し、「内部監査規程」に基づく内部監査を実施 して必要な対策を講じることにより、職務執行の適正確保に努めてい ます。なお、監査室、監査役会および会計監査人は、監査計画・監 査方針・監査実施状況に関して定期的に意見交換を行うほか、情 報・意見交換、協議を行う等、相互連携を図っています。
コーポレート・ガバナンスに
重要な影響を与えうる特別な事情
当社の上場子会社タカラバイオ株式会社について
2011
年3
月31
日現在、当社は、タカラバイオ株式会社(東証マザーズ、コード番号
4974
)の議決権の70.8%
を所有する親会社であり、当社と同社の関係は以下の通りです。
①当社グループにおけるタカラバイオ株式会社の位置付け
タカラバイオ株式会社は、
2002
年4
月1
日に、物的分割の方法により当社の
100%
子会社として設立しました。その後、当社の議決権所有比率は、同社による第三者割当増資、公募増資、新株予約権付社 債の発行等により、現在の議決権所有比率となっています。
2011
年3
月31
日現在、当社グループは、純粋持株会社である当社、子会社
37
社および関連会社5
社で構成され、その中でタカラバイオ株式会社はバイオテクノロジー専業の事業子会社として位置付 け、当社グループとしてバイオ事業を推進しています。
②当社のグループ会社管理について
タカラバイオ株式会社についても、前述の「グループ会社管理規 程」を適用し、同社の取締役会において決議された事項等の報告を 受けていますが、取締役会決議事項の事前承認等は求めておらず、 同社が独自に事業運営を行っています。
当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針
(買収防衛策)について
当社は、
2006
年5
月15
日の当社取締役会決議により、企業価値、ひいては、株主の皆様の共同の利益を確保し、又は向上させることを 目的に、「当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針(買収 防衛策)」を導入しました。
しかし、株主の皆様の意思をより多く反映させることが株主の皆様 の共同の利益の最大化に資するとの考えから、
2007
年5
月15
日開催の当社取締役会において、買収防衛策の導入を当社の株主総会にお 諮りして株主の皆様の決議に付すこと、および、対抗措置発動の判
断は、原則として当社の株主総会での決議をもって執り行うこと、と いった内容を有する買収防衛策に変更することを決議しました。その 内容につきましては、当社ホームページ(
http://www.takara.co.jp/
)並びに有価証券報告書において概要を掲載しておりますのでご参照 願います。
なお、
2007
年6
月28
日開催の当社第96
回定時株主総会において、当買収防衛策の導入が承認可決され、
2010
年6
月29
日開催の当社第
99
回定時株主総会において、その一部変更及び継続が承認可決されています。
株主総会
執行部門・グループ事業子会社
会
計
監
査
人
取締役会(10名)
(うち社外取締役1名) 監査役会(5名)
(うち社外監査役3名)
代表取締役(4名) 監査室
コンプライアンス委員会 内部統制委員会
CSR推進部
(事務局) 経営会議
グループ戦略会議
タカラバイオ
連絡会議 宝ヘルスケア戦略会議 マザー協議連絡会議*
機能子会社 協議連絡会議 選任・解任
選定・監督
重要事項協議
重要事項意思決定
重要事項報告
重要事項 事前協議・ 報告・指示
重要事項 事前協議・ 報告・指示
重要事項 事前協議・ 報告・指示
監査 監査 監査
選任・解任
報告
報告
報告
会計監査 報告
報告 指示
報告 指示
内部監査
選任・再任の 同意・解任・監視 監査
報告
指示
報告
報告
選任
選任・解任
コーポレート・ガバナンス体制 模式図
*マザー(宝酒造グループ)協議連絡会議
(2011年6月29日現在)